理事長挨拶

理事長に再選されて

一般社団法人日本歯科専門医機構
理事長 今井 裕

 マスク生活も3年目を迎え、COVID-19パンデミックは、なお先の見えない状況が続いております. 先生方におかれましては、各方面においてご尽力されておられますこと、心より敬意を払うとともに、日頃は当機構の事業運営におきまして、多大なるご理解とご協力を賜り深く感謝申し上げます.
 さて、このたび当機構執行部の任期満了・改選により、6月16日開催の令和4年度社員総会の議を経て、同日開催された令和4年度第4回理事会にて引き続き理事長の要職に選任いただきました.2年前、理事長就任時の基本的な方針として、前執行部の基本理念を踏襲し健全経営を保ちながら、歯科の専門性の確立を早期に目指すことを掲げさせていただきました. コロナ禍の影響もあり、当初は遅滞していた活動も先生方のご指導とご協力の下、相当程度進めることができましたこと厚くお礼申し上げます.
 まず、簡単ではありますが、機構活動の現況につき報告させて戴きます. 申し上げるまでも無く、機構の設立理念は、歯科専門医制度に関するあらゆる情報の可視化であり、歯科医師のためでなく、患者に資する制度とするものです.この考えを基本に、歯科の基本専門領域を既に広告可能な5領域に加え、社会構造の変化へ対応可能な歯科医師を養成する総合歯科、固有の歯科医業である歯科補綴、歯科保存、矯正歯科、そしてインプラント歯科の5領域(いずれも仮称)を加えた10領域といたしました.これらのうち、既存の広告可能な専門領域については制度認定が行われ、これを基にこれまで3回の運用審査(研修施設・専門医の評価、認定)が実施されています. また、新たな5領域は従来のような学会専門医制度を評価・認定するものではなく、近接・類似した複数の学会が連携しひとつの専門領域を新たに創設するという、極めてチャレンジングな試みとして積極的に協議が行われています.
 ご承知のとおり2021年10月機構にとって極めて意義深い事柄が告示されました. すなわち、「医療法第六条の五第三項及び第六条の七第三項の規定に基づく医業、歯科医業若しくは助産師の業務又は病院、診療所若しくは助産所に関して広告することができる事項の一部を改正する告示」の施行により、当面は従前の制度が併存するものの、機構が認定する専門医(制度)が広告可能となったのです.これにより機構の社会的重要度は高まりましたが、一方で重い社会的責務が課せられることにもなりました.
 こうした経緯を踏まえ、今期はこれまで行われている既存の広告可能5領域の運用審査の実施に加え、新たな5歯科専門領域の制度構築とその運用に努めていく所存です. なお、この2年間の機構活動を通し歯科の専門性のみならず歯科全体の課題も見えて参りました.課題つきましては改めて挙げさせていただきますが、今期は気付かされた課題解決に向けた行動目標を立て、次なる活動の開始点にしたいとも考えています.
 当機構は創設5年目とまだまだ未熟な組織ですが、会員のみならず社会の要請を鑑みて、機構の方向性を示し、目指すべき目標を掲げ、その目標を達成するための計画を立て実践して参ります.会員の先生方におかれましては、当機構の在り方に必須であると考える事業活動等がありましたら、遠慮なくお申し出いただきますようお願い致します. 当機構のさらなる発展のために、また、多くの目標を達成するためにも、力を結集すべく先生方のご協力を賜りたく存じます. どうか引き続き、ご指導の程お願い申し上げます.
 末筆ながら、先生方の益々のご健勝とご活躍を祈念申し上げます.