憎まれ役

日本歯科専門医機構 監事
横山 敏秀

 早いもので平成30年4月に日本歯科専門医機構が設立されてから6年余り経過しました。私も設立当初から監事を仰せつかり、今期で4期目となります。
 最近になって既存の広告可能な5学会に加えて補綴歯科専門医が認定され、それに続けて歯科保存専門医・矯正歯科専門医が認定されました。現在、打合せ会やワーキンググループでの検討が進められているのはインプラント歯科専門医(仮称)と総合歯科専門医(仮称)のみとなりました。このように、日本歯科専門医機構の活動の核心となる歯科専門医の認定も設立当初に予想していたよりも順調に進んでいるように思えます。
実際、この日本歯科専門医機構の専門医制度の認定は慎重かつ厳格に行われていますので、6年余りという短い時間の中で良くここまで来たものだと驚嘆しております。これは住友雅人前理事長及び今井裕現理事長の何者にも負けない強いリーダーシップと並々ならぬ忍耐力の賜物に他なりません。
日本歯科専門医機構の活動の核心となる歯科専門医の認定は、歯科医師にとっては自己研鑽の目標の一つとなり、患者や一般国民にとって歯科診療を受ける歯科医院を選択する際の重要な指標ともなります。したがって、日本歯科専門医機構としては実際のところ各申請学会に厳しくダメ出しをすることも多くなりますので、どうしても憎まれ役にならざるを得ません。しかも、上手くいって当たり前で、しかも誰からも褒めてもらえない損な役回りです。
 この点、法人の監事も、法令違反や定款違反等があれば、関係者に嫌がられるようなことでも指摘せざるを得ないのが法律上の責務であり、憎まれ役を引き受けざるを得ないときも多々あります。そこで、日本歯科専門医機構の監事となると、まさに憎まれ役の憎まれ役ということになりますが、未来の歯科界のため患者・一般国民のため、微力ながら力を尽くしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。