患者と作り上げる歯科医療の専門性と期待

日本歯科専門医機構 理事
豊田郁子

 患者・家族の立場から当機構の理事に再任いただきました「患者・家族と医療をつなぐNPO法人架け橋」の豊田郁子と申します。
 私はこれまで、患者・国民の立場を代表する理事として、歯科専門医制度が患者や家族に分かりやすく、信頼を得られる制度に育つことを願い、体制作りに参画してまいりました。
 超少子高齢社会である我が国において、歯科受診へのニーズは多様化しており、今後求められる歯科医師の専門性には、技術的な面だけでなく、安心で安全な歯科医療の提供に欠かせない医療安全や感染対策及びノンテクニカルスキル(コミュニケーション・チームワーク・マネジメント能力等)においての知識と実践力が重要であり、その舵取りは始まっています。
 その上で、これらの質の向上のためには「患者中心の歯科医療」・「患者参加型の歯科医療」に基づいた診療提供が必須であり、習得するための共通研修(歯科専門医の教育体制)は、より一層の充実を図ることが求められています。
 本機構では、今後も歯科専門医の認定や医療施設認定の体制整備、そして患者に分かりやすく検索しやすい専門医情報に関するデータベース化や、ホームページの掲載等を整備していく必要があり、国民に信頼される「かかりつけ歯科医」や、ゲートキーパー的な役割を担う「機構歯科認定専門医」の養成と活躍を願って、引き続き、患者・国民の立場を代表する者が継続的に議論に参画できるよう微力ながら努めてまいります。